婦人科子宮頚部細胞診 第2章
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–17–1.Cellprep®システムで得られる標本の特徴 Cellprep®システムでは直径20mmの円状に細胞が薄層かつ均一に塗抹される。これにより直接塗抹標本で認められる細胞の偏りや重積、乾燥のない観察しやすい標本が得られ、標本内のほとんどの細胞を評価対象とすることができる。また、ひとつひとつの細胞の形態・サイズ・染色性は直接塗抹標本に近い像が得られることから、違和感のない鏡検が可能である(図1)。2.Cellprep®システムの性能評価 LBCに期待される基本性能は不適正標本の減少と診断精度の維持である。2014年4月1日から6月30日の3ヵ月間にLBC(Cellprep® PLUS)にて施行された子宮頸部細胞診 1,681件および前年同期間に従来法(直接塗抹法)にて施行された1,507件の比較を行った検討(表1)では、不適性検体の出現率が従来法で36件(2.39%)、LBC法で11件(0.65%)と不適正標本の有意な減少が認められた。また、ASC-US以上と判定された従来法152例およびLBC法189件のうちASC-US、ASC-H、LSILそれぞれが占める割合は従来法で23件(1.53%)、12件(0.80%)、52件(3.45%)、LBC法で24件(1.43%)、10件(0.59%)、45件(2.68%)と判定割合に有意差はなく、従来法と同様の判定基準をもって判定が行えることが示唆された。表1 従来法およびLBC法(Cellprep®PLUS)標本のベセスダシステム判定結果ベセスダ検体不適ASC-US以上 (ASC-US) (LSIL) (ASC-H)p値*0.000050.301910.883380.216190.52662有意差あ りな しな しな しな し従来法 1,507件(2013年4月1日~6月30日)2.39%(36件)10.10%(152件)1.53%(23件)3.45%(52件)0.80%(12件)LBC法1,681件(2014年4月1日~6月30日)0.65%(11件)11.24%(189件)1.43%(24件)2.68%(45件)0.59%(10件)*有意差あり : p<0.01図1 Cellprep®(左)と従来法(右)の細胞像

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