一般カラーアトラス 第2章
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–23–*背景はきれいで、壊死は少なく、炎症細胞は集塊状になる。  バイアルを用いて粘液処理、溶血が行われるので通常法に比べて背景はきれいである。壊死や炎症細胞は全てが除去されるわけではないが、量的に減少する。標本内に壊死、炎症細胞を認めた場合にはもとの程度を推定する必要がある。また、炎症細胞は集塊状で出現する。図6 喀痰:異型細胞(C-D)図7 喀痰:扁平上皮癌図8 肺腫瘍洗浄液:転移性肺癌(大腸癌)図9 膵液:膵管癌図10 胸水:組織球図11 胸水:腺癌*婦人科細胞診と異なり、一般細胞診においては大集塊で採取される検体が少なく、断片化される傾向は少ないがやや配列が平面的になる。集塊では特徴的な構造異型(流れ様配列、腺腔様配列など)を確認することができるので、組織型の判定は可能である。*Cellprep®LBCではクロマチン所見が明瞭に確認できる。耳鼻科検体など異型の弱い扁平上皮細胞のクロマチンも詳細に観察できる。*一般細胞診検体においては腺系腫瘍性疾患の診断に苦慮する場合が多い。組織球と腺癌との鑑別が困難な症例などである。クロマチンの一様性や核異型などを仔細に観察し、鑑別を行う必要がある。

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